ヘルスケア業界が直面する課題
ヘルスケア企業を取り巻く環境は、厳格化するコンプライアンス、急速に進むデジタル化、マーケットシェーピングの加速化などによって、かつてないほどの複雑性を伴うようになりました。急激な環境変化を受けて、プロジェクトの目的や体制、実施方法も大きく変化しています。そこで今回は、近年注目されているPMO(プロジェクトマネジメント)についてご紹介します。
ヘルスケア業界におけるPMOの必要性とは?
ヘルスケア企業ではアカデミアとの共同研究、デジタルソリューションの開発、患者エンゲージメントの強化といった、多様なステークホルダーを巻き込むプロジェクトが増えています。特に、研究開発、メディカル、マーケティング、政策部門などといった縦割りの組織が連携しながら進行する必要があるのが特徴です。また、これらのプロジェクトを円滑に進めるには、組織間の調整やベンダーマネジメント、プロジェクトの中立性確保といった新たな課題が浮上してきています。
PMOを内製化することが難しい理由
しかし、多くの製薬企業では、PMO機能を内製化することが難しいのが実情です。その背景には、以下の要因があります。
1. 組織構造が立体的である
プロジェクトに参加するそれぞれの部門が異なる目的・評価軸を持っています。組織横断的なプロジェクトを実行する際に、全体を俯瞰し、異なる組織間の橋渡しをする役割が求められます。
2. 調整業務のボリュームが膨大
進捗管理、会議設定、資料作成、ベンダー対応といった業務に追われ、本来のコア業務である「医療情報の提供」や「新規戦略の策定」に十分な時間を割けない という問題が発生しています。
3. プロジェクトマネジメントスキルが必要
医療業界特有の知識・経験はもちろんのこと、関係者間の意思疎通を円滑に進めるためのスキルが求められます。
具体的な事例
こうした背景の中で、PMO の役割が、製薬企業にとってますます重要になっています。
例えば、スリーロックではメディカルやマーケティング部門が主体となり、アカデミアとのコラボレーションプロジェクトを推進した事例があります。
これは、社員、アカデミアの先生方、ベンダーが数十人規模で参加する長期プロジェクトでした。成功に導くために、以下のようなサポートを提供しました。
・定期会議の調整・進行管理、資料作成(社員、アカデミア、ベンダー間の調整)
・進捗管理・リスクマネジメント(計画と実行のズレを可視化し、適切な軌道修正を支援)
・ステークホルダーとの連携強化(アカデミア、ベンダーとの共通のゴール設定を支援し、認識の違いを解消)
その結果、社員の皆さまが本来の業務に専念することができ、スムーズに進行することができました。
PMOの価値
スリーロックが考えるPMOは進捗管理や調整業務を担う事務的なサポートではありません。
1.プロジェクトの「真の目的」を見極める
単なる管理だけではなく、プロジェクトが目指す本質的なゴールを明確化し、関係者の認識を統一します。
2.参加者の“隠れたニーズ”を引き出す
参加するステークホルダーが本当に求めていることを可視化し、最適な進め方を導き出します。
3.ヘルスケア業界の知見を活かしたプロジェクト推進
マイルストーンの設定・管理など、製薬業界特有の課題を考慮しながらプロジェクトを支援します。
ビジョンを形にするパートナー
「複数の部門が絡むプロジェクトや、アカデミアとの共同プロジェクトをスムーズに進めたい」「社内部門と外部ベンダーとの調整業務を効率化したい」などの課題を抱えている場合は、ぜひスリーロックにご相談ください。お客様のビジョンを形にする頼れるパートナーとして、ヘルスケア業界の未来を共に切り拓いていきます。