医療の交差点アプローチの重要性

2025年03月12日
医療の交差点アプローチの重要性

スリーロックは、創造的で効果的、かつ実行可能なプランを構築し、社会に価値をもたらすために、製薬、医療機器、デジタルの分野で地域からグローバルまでさまざまな戦略プランの構築・レビュー支援を行っています。現在、戦略プランにはさらなる具体性、信頼性、分かりやすさ、実行可能性が求められるようになりました。疾患領域を深く理解し、医療従事者や患者、その他のステークホルダーにとって重要な課題を解決する必要があります。しかし、コマーシャルチームの縮小と医療従事者の業務効率化により、多くのプランが以下のような問題を抱えています:

一般的すぎる – 形式的な分析と表面的な戦略(例:「主要施設で基本メッセージを伝える」)。

製品中心のアプローチ – 患者や医師のニーズを考慮せず、企業の販売目標のみに基づく。

活動リスト化 – 実行項目が並ぶだけで、実際の市場理解が欠如。

一貫性の欠如 – 個別のスライドが並ぶだけで、明確なストーリーやロジックがない。

ブランドチームがもっとも取り組むべきは、患者と医療従事者に真の価値を提供することです。そのために、スリーロックでは医療の交差点(Healthcare Crossroads)アプローチを採用し、市場理解を深め、価値創出の機会を見出すことを支援しています。

最適ではない治療の特定:価値創出の鍵

最適ではない治療(Suboptimal Care)とは、スクリーニング、診断、治療開始、継続管理のいずれかに理想の状況とのギャップがある状態を指します。しかし、ブランドチームはあらゆるフェーズの課題を解決できるわけではありません。そのため、どの課題を優先し、どこに戦略的に介入するか、が重要になってきます

そこで、医療の交差点(Healthcare Crossroads)アプローチで深い分析を行うことで価値創出の鍵、つまり取り組むべき課題を見つけることができます。

疾患 – その疾患における主要課題。

・ステージ – スクリーニング、診断、治療導入、フォローアップなどケアの特定段階。

医療従事者 – 治療に関わる医療従事者の専門性、意識の違いからくるタイプ。

患者 – 診断・治療の受容度、情報理解、社会的背景などによるニーズ。

これらの交差点を明確にし、患者のニーズと医療従事者の意思決定が交わるポイントを特定することで、単なるプロモーション活動ではなく、本質的な価値を提供するアプローチへと移行できます。

6層のペイシェントジャーニー:患者理解の深化

従来のペイシェントジャーニーは、診断・治療・フォローアップなどの臨床的なタッチポイントに限定されがちです。しかし、最適治療が提供されない背景には、より複雑な要因が絡んでいます。スリーロックでは、以下の6つのレベルを統合したペイシェントジャーニー(6-Level Patient Journey)を活用します。

1.身体的・医学的状態(Physical / Medical) – 患者が経験する症状や疾患の影響。

2.診療体験(Diagnosis / Treatment) – 診察、検査、治療選択、処方における重要な意思決定ポイント。

大半のペイシェントジャーニー分析はこの内側の2層で終わってしまいます。医学的な状況が変わることで患者がどう医療との接点をもつか、は事実であり、データとしても把握しやすいです。しかし、これだけだとWHO/WHAT/WHERE/WHENを理解するだけにとどまってしまい、「なぜ最適治療ができていないか」が見えてきません。もっと深い分析が必要です。

3.社会的なつながり(Social) – 家族、介護者、同僚などの影響。

4.経済状況(Financial) – 診察費用や治療費による治療開始・選択・継続への影響。

5.地域や医療環境(Community / Environment) – 地域によるアクセス格差、医療制度の制約。

このWHYに対する仮説を立てるために、追加で外側の3層を分析することがキーとなります。

この内部要因・患者中心の2層と外部要因・環境中心の3層の分析結果を併せると、患者が受ける影響、どの情報・考え・感情のもとで治療参加する/しない、が想定できます。これは一番大切な、結果・行動につながる6層目(図中オレンジ色)です。

6.判断と行動(Decision / Action) – 患者の意思決定プロセス、心理的・情報的要因。

これらの要素を考慮することで、患者が最適治療を受けられていない「本当の理由」を明確でき、より効果的な戦略の設計が可能になります。

顧客体験マップ:医療従事者の行動理解

患者の理解と同様に、医療従事者の意思決定プロセスを深く理解することが不可欠です。顧客体験マップ(Customer Experience Map)は、医療従事者が最適治療を提供する際の障害やニーズを特定し、適切なアプローチを設計するためのフレームワークです。

知っていること(What I Know) – 疾患や治療法の認識度、技術レベル、エビデンス。

信じること(What I Believe) – 使用経験、思い込み、治療への信頼度。

満足していること(What Satisfies me) – 現行の治療プロトコルへの満足度、製品の使いやすさ、利益。

ほしいこと(What I want) – 診療現場での課題、リソース不足、めんどくささ。

上記を踏まえて、キーとなる結果、行動(What I do) – 最適治療につながらない理由。これがはっきりさせることが正しい判断、正しい行動への変容が初めて可能となります。

このマッピングを通じて、医療従事者が適切なタイミングで適切な決定を下せるように支援することが可能になります。

スリーロックの支援:価値創造への第一歩

スリーロックは、単なる戦略プランの作成ではなく、患者と医療従事者の真のニーズを理解し、実行可能な価値創造を支援します。企業がこのアプローチを採用することで、単なる製品販売ではなく、より良い医療アウトカムの実現につながります。それこそが、すべての関係者にとってのWin-Winです。

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